・皆さんもご存知のように平成19年度の課題が先日発表されました。
今年も全国共通で「住宅地に建つ喫茶店併用住宅」(木造2階建て)で以前のメールマガジンでも書きましたが併用住宅は過去10年で7度出題があります。出題する側としては比較的出題しやすい課題と言っていいでしょう。住宅部分については皆さんもイメージが湧きやすいとは思いますが喫茶店については住宅以上にゾーニングや動線計画が重要になってきます。
今年度の設計製図試験のポイントについて説明していきましょう。
1) 住宅地に建つ喫茶店併用住宅について
・住宅街にある喫茶店のイメージで店舗部分の広さがどれくらいの規模になるかがポイントになると思います。まず、考えられるのは本当にコーヒーや紅茶などを提供するだけのごくごく小さな規模のもの。住宅街にあるのですから用途地域によって店舗の規模を制限される場合があります。この場合は50m2以下になる可能性があるのでカウンター、厨房とテーブル席が1〜3席程度、客用の便所が要求される程度で1階部分の一角が店舗というパターンと言えます。
次に考えられるのは喫茶サービスの他に食事やケーキなどの菓子類をサービスとして併用している場合です。こちらの方が出題される可能性としては高いと思われます。この場合は店舗を中心に設計することが要求されます。1階部分が店舗で2階が住宅のパターン、住宅、店舗ともに1階、2階が要求されて住宅用、店舗用共に階段を設置するパターンがあります。そして、1階に一部住宅部分(LDKや客間など)が要求されるパターンがあります。
住宅部分にもゾーニングはありますが店舗部分のゾーニングは設計条件を細かく指定してくると思われます。指定されなければ客席の位置や厨房なども何処に配置していいのか幅が広くなってしまい。添削する側としてはポイントがずれてしまいます。ですから、今年はいつも以上に設計条件や特記事項に注意が必要になってくると思われます。
家族構成も夫婦だけの場合と子供が1人または2人の場合など色々とあり、これによって住宅部分の所要室が変わってきますから注意が必要です。
2)
所要室について
店舗部分
客用部門
・エントランス、客席、カウンター席、洗面所、化粧室、便所、レジカウンター、クローク、ショーケースなど
厨房(従業員用)部門
・厨房、カウンター厨房、倉庫、冷蔵庫(ウォークインタイプ)、パントリー、洗面所、便所、休憩室など
屋外部門
・ 駐車スペース(店舗用、住宅用)、駐輪スペース(店舗用、住宅用)、植栽・花壇、アプローチ(店舗)、オープンカフェなど
3)
動線計画
・これについては間違いなく店舗と住宅の出入り口は出来るだけ離すように指定があると思います。指定がされていなくても離すのが一般的なので明確に分離することが望ましいと思います。
a.一方道路の場合…建物の中心近くに店舗出入り口を確保してそこから離れた位置に住宅の出入り口を取ってやる。
b.角地又は二方道路の場合…出入り口が指定されることが多いですが指定がない場合は広いほうの道路へ店舗の出入り口、狭いほうは住宅としてください。道路幅が同じで指定がない場合は設計条件によりますので注意深く、読み取ってください。
・店舗の動線計画は店舗スタッフと客用の動線が交わらないことが基本と言えます。厨房やパントリーの付近を通らないと便所や化粧室に行けないとか客席を横切らないと従業員の休憩室や倉庫などへ行けないような物は動線計画としては不適切といえます。
・住宅については階段・水廻りゾーンと居室ゾーンに分けてそれを廊下ゾーンでつないでやれば問題ありません。そして、今年は店舗部分と住宅部分を屋内で行き来できるような指定がされると思いますので住宅の廊下などから通路で店舗のスタッフゾーンへ行けるようにすることが必要です。
4)
要求図書について
・ 昨年、一昨年と2年連続で要求図書の発表がありましたが今年はありませんでした。
この時点で想定できるのは平面図と矩計図は出題されると言うことです。あとは立面図、断面図、2階床伏図面積表が考えられます。断面図は木造では考えにくいと思いますが練習はしておくほうが良いでしょう。しかし、何と言っても伏図が出題されるかどうかが最大のポイントとなります。これがあるのとないのでは時間配分が大きく変わってきます。しかし、これも過去に出題されている以上、練習は必要です。本気2級では平面図兼配置図、矩計図、立面図、面積表のパターンとこれに伏図がプラスされたパターンと両方に対応できるようにしたいと考えています。
5)
その他
・今年の課題は「住宅地に建つ喫茶店併用住宅」と言うことで比較的イメージのしやすい課題となりました。難点なのは店舗部分の動線ぐらいのもので他は一般的な住宅と変わりがありません。それだけに図面のチェックも厳しくなると考えてもいいでしょう。2級製図試験の場合はデザインの要求はされませんから図面の精度が高いほどより合格に近づいていくと言えます。最近では手描きで図面を描く事務所や工務店も少ないですから試験まで1枚でも多く図面を仕上げて第3者の評価を得ることが必要です。
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